「はぁ……」

何度も何度もため息をつく、たった一言で悩む。


「月妃どうした?」

白夜も、臣下が進める議題を聞き流しながら、彩にこっそりと聞く。


「つ……!」

白夜が声をかけると驚くほど、ビクリと身体が揺れた。


その彩の顔は困惑していて、白夜はひとつの可能性にたどり着く。


「気にするな――、彩。普通でいてくれ」

その普通は何なのか、彩にはこの世界が普通ではないのに。
何を求めているのだろうか。