執務室に入る。


「そんなに嫌か?」

「いやです」

「…お前が朝起こして、着替えを手伝って、執務室まで送る、これは第一妃の仕事だろ。」

「え…じゃあ、最初から決まってたの?メイドの仕事じゃなくて…?」

泣きそうになりながら、ソファーに座る。


「嫌でしょ?結婚相手を勝手に決められるなんて……。」

「相手はお前だろ、伝承があったから、今まで俺はひとりでも許されたんだ」

「言い伝えなんて、勝手に言い換えたり、正しくない事も伝えるわ!」

「…とにかくこの国に居るしかないんだ、大人しくしておけ。」

「つ……そんな」

「それしか手がない、異世界の人間を国においておくなど争いのモトだからな」

白夜の言い分は正しい、王として許す訳にはいかない、自分が知らない内に反乱の旗印になってはまずい。

「図書館ありますか…?」

「あるが…」

それがどうしたと顔にかいてある。

「どこに?とりあえず、図書館に行きたいです」

門番さんが案内してくれるよう、白夜が頼む。



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