「そうですか……」

(そんなものの為に)

「東西南北に門が設置され、首都ゼプスを守る。引いては王宮を」

クルッと後ろを向き、王宮の方を見る。
王宮は小さなシルエットで微かに姿がわかるくらいだ。


「王宮を守って、国民が亡くなるのはありえませんね……あんな飾りものに」

「飾りではない、あの変わらずある姿が民の支えだ」

「そうでしょうか?」

「ああ、そうだ」

「違うと思います。実は国民はどこの国であろうと、気にしてませんよ」



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