「親父ふたつ」

「男前だね、あんちゃんかわいい娘さんも連れて、サービスだコレ」

とろりとした蜜をたっぷりかけて渡した、ふたつの食べ物。
慌てて野菜を売ったお金を出そうと、袷から財布を取り出す前に白夜が店主に金を払っていた。


「お、お金……」

「別にいい、早く食べろ冷めるぞ」

「ありがとうございます」

パクもぐもぐ

「おいし、うわ何これ!」

ホワーンと幸せそうな顔をして、二口目を頬張る。



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