街の喧騒を上から見る、街の外れの小高い丘に銀虎を降り立たせる。

フセをするように、銀虎は沈む。


すると数人が出てきて、銀虎を預かる。


「あれは?」

「獣使いだ、市が開かれたり祭があると、必ずいるぞ」

少しお金持ちから、大金持ちまでの妖獣を扱う。
毛並みのいい銀虎に、口笛を吹いてかわるがわる覗いている。


「いくぞ」

そう声をかけ手を差し出された、その手を見て白夜を見上げる。

「人が多いはぐれる」

その言葉はどこか、言い訳のような響きを含んでいる。



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