来てそうそう、ゲームオーバーなのか。


「姫は陛下の第一妃になっていただき、我が国に繁栄をもたらして頂く」

姫=なぜか私はそう呼ばれている。
陛下=白夜の事
第一妃=奥さん!


「ちょっ………!」

我慢出来ずに紗を乱暴にめくり外へ出る。


「待って下さい、私が第一妃っておかしいです、私ただのニートです!」

重臣達の怖い視線など、なんのその無理なものは無理なのだから。

(私は帰るの!おじいちゃんも意地悪だったなんて、誤算だった!)


「ニートなら、好都合。仕事で迷惑かけなくてよかったですね、安定的な永久就職見つかって」

「ええ…!!」

お得だとでも、言いたそうだ。

(私の求めた安定なんて、そんな事じゃない!栄達も意地悪だし)

あちらにいるときから白夜の嫁になる事を、考えていたのなら困り者だ。


「陛下も寝不足の顔ですしの、若いとはいいことですのぉ」

左側に座る70歳位の白髪のじいちゃんが、そんな事を言う。


「彩が寝かせてくれなくてな……?」

片方の口角をあげて、玉座から誤解を招く言葉をはく。

事実だが、受け取り方は人それぞれだ。


「わーー!」

パタパタと玉座に戻る彩に重臣達は、もう仲良しですなぁと呑気に話している。


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