「サインすればいいの?」

「そうだね?」

引ったくるように、栄達から取り上げる。


「ハイ、どーぞ」

乱暴に差し出した紙を、やれやれとため息をつき受け取る。


「お姫さま、陛下が言った事忘れない方がいいよ」

なにか事態を楽しむような、彩を見下すような目線を投げ掛けて、栄達は執務室に戻っていく。


「なに……?」

強い風が吹き、彩の髪を風が弄ぶ。



.