それを抑えようにも、我慢出来ない場合もある。


初恋に近いだろうこの感情に、自分でも解らない思い。

憎くて、同時に愛しい。

この娘を逃したら、二度とこの思いを感じる事はないだろう。


「彩、帰りたいか?」

自分でも制御の出来ない気持ちが暴れる。


帰りたいと言われたら俺はどうするつもりなのか。


彩を手に入れられるのなら、国を滅ぼせる。


邪魔なものは排除できる。そう簡単に感じてしまう。

王としてあってはならぬ事だ。


「帰れないでしょう」

当然の様に帰ってきた答えは、前より希望を見出だしたようで不思議な感じだ。

「そうだな……」

この国で生きがいを見つけられたら、嬉しいその為には少し我慢しよう。



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