待っていたの

どういった、心境の変化なのだろうか。


「陛下、私は今から菜園に行きますが?」

どうされますか?
と含ませる。


「綺麗になったか?」

窓とその周辺の事を指しているのだろう。


「はい、ありがとうございました」

彩の声に被さる様な、囚人達の声。


どこか誇らしげに、白夜を仰ぎ見ている。


「月妃との成婚の、恩赦で刑は軽くなるはずだ、心積もりをしておけ」

そう言うと、牢が揺れる程の歓声とも怒号ともつかないような声が上がる。


「そうなんだ」

彩がぽつりともらした声に、静謐が波紋のように広がる。

「嬢ちゃん、大丈夫だ。俺達は嬢ちゃんの危機には必ず現れる。生きてきたらな…それくらいの恩があるんだ」



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