待っていたの

彩は、曜と話していた。

「曜さん、疑問なんですけど」

いつも、石畳の上であぐらをかき、腕を組んで座っている。


「なんだ、嬢ちゃん」

「陛下はいい王様なんですか?」

「嬢ちゃんそれは、答えがねぇ」

「答えがない…?」

「後の世に良かった策だと言われても、必ず歪みは出る」

「あ……そっか」

必ず反対するものが、出てくる。


だから後の世が決める。


「歪み」

その言葉に空白をも吐き出すような、彩の声。

しゃがんだ彩のからは、わからない位だが曜の眉が上がり、騒がしくなる看守の足音がした。


「その歪みが少ない程、よく出来た王だといわれる、その程度だ」

「へ、い、か」

彩から驚きの声が上がり、囚人達が平伏をした音が聞こえる。



.