待っていたの

後宮に姫をいれるか。


栄達は今までからかって来たが、白夜がひとりの女にあそこまで執着していると思わなかったのだ。


栄達にも決して、彩と話した事を言わない時点で、怪しまなければならなかったのに。


「見誤ったか…」

呟いた言葉は風を振動させ黒麗に届く。


「男女の事情ほど、難解なものはないよ、国政が子供のお遊びだと思えるくらいに…」

呆れるほど長い髪の毛を、揺らしながら豪奢な服を揺らし出ていく。


「…これは、考えねばなりませんね」

宰相の耳には入れておく、白夜が王でなくなるなど、考えられないのだから。



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