きつく持たれた、左の手首が熱を持つ。


彩の部屋のベットに放り投げられる。


次に起こる事を想定し、目を閉じ仕事だと思う事にする。


何度か言い聞かせると、ぴたりと白夜の行動が止まる、産まれたままの姿で、ベットのスプリングの跳ねる感覚が伝わり、彩の身体から重みが消える、白夜がベットからどいた事に気づく。


ホッとため息をつき目を開ける、手で自分の裸体を隠す。


すると白夜が帰ってきた。

「何をしている、隠す事を教えた事はないはずだ…それとも黒麗が教えたのか」

嫌な笑い方をする。


「黒麗さま?」

「黒麗の女になったのか!?」

「違います…」

そう言って自ら手を離す。

そしてまたこれは仕事だと呪文のように唱えて、ベットの上に身を起こす。


恥ずかしいが、白夜の前に肌を晒す。


「陛下…が彩のお側にいらっしゃらないから、どうしたのかと見に行こうとした所ですわ」

この話し方には嘘があるのだ。


だが…白夜には甘い言葉。甘いささやき。

「そうか…続きをしてやろう」

「ありがとうございます」

そう言ったのだ。
その言葉が嘘だと分かっていても、心が…魂が震える。


耐え切れず、彩の事などお構いなしに、腰を動かす。

彩の嬌声を聞きながら、何度も何度も彩の中に注ぐ。

彩もそれを求める声をあげる、それが嬉しく白夜は…朝日が登るまで激しく彩を抱いた、眠るのは彩を抱えて、手を絡ませて。




白夜が眠りについたのを確認して、起きようとするが白夜ががっちり捕まえており、逃げ出す事ができない。


彩は正直白夜の体力には、ついていけない。


果てる時に言われた好きだという言葉が頭の中をグルグルと回る。


「はあ…泣いちゃだめ」

(私は愚かなのに、ここで泣いちゃだめ)


赤ちゃん出来たら、月妃…第一妃を降りるなんてこの人が許してくれない。


逃げる道は、他国に行く事くらいしか思い浮かばない。



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