「…ねぇ」
黙り続けてた夏江ちゃんが喋った。
「…アメリカってどんなところかな?黒人ばっかりだよね」
前を見ながら遠くのほうをみて呟いた。
「友達できるかな?
上手くあっちの生活に馴れるかな」
「…大丈夫だよ。直ぐに馴れる。友達も沢山できるに決まってる」
根拠のない言葉しかかけてあげられない自分に苛立つ。
僕は何を言ってあげたらいいんだ?
「もっと…沢山やりたいことあったのにな……」
ボソッと呟く夏江ちゃんのほうを見ると、彼女の頬には一筋の涙が伝っていた。
夏江ちゃんは遠くを眺めたまま。
「…爽司くん。あたしね…」
僕は息を呑んだ。
「治るの…一か八なんだって」
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