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「ありがとう」
僕は彼女を連れて一回ばあちゃん家に戻り、自分の服を夏江ちゃんに着せた。
夏江ちゃんにとっては少しブカブカだったけど、浴衣よりマシだ。
そして、もう一度花火を見た神社に行った。
もう9時30分を回り人気もなくなり虫の音が静かに鳴り響く。
僕たちは話をする訳でもなくお互いに体を寄り掛からせていた。
…本当に信じがたいことだけど隣にいる夏江ちゃんが
“ガン”ていう思い病気を抱えてるだな…って思う。
時々、握っている手を強く握ってくる夏江ちゃん。
不安とか怖さとか沢山抱え切れない気持ちが、こうして行動に出てくるのかな。
だから僕も少しでもその気持ちに応えられるように握り返すんだ。
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