夏恋〜大好きな君へ〜



―――――――

――――…


「ありがとう」


僕は彼女を連れて一回ばあちゃん家に戻り、自分の服を夏江ちゃんに着せた。


夏江ちゃんにとっては少しブカブカだったけど、浴衣よりマシだ。


そして、もう一度花火を見た神社に行った。


もう9時30分を回り人気もなくなり虫の音が静かに鳴り響く。


僕たちは話をする訳でもなくお互いに体を寄り掛からせていた。


…本当に信じがたいことだけど隣にいる夏江ちゃんが

“ガン”ていう思い病気を抱えてるだな…って思う。


時々、握っている手を強く握ってくる夏江ちゃん。


不安とか怖さとか沢山抱え切れない気持ちが、こうして行動に出てくるのかな。


だから僕も少しでもその気持ちに応えられるように握り返すんだ。





.