"大丈夫?入学式おわっちゃったよ?"

こうメールしてから何分たったかな?
返事がこない…

「はぁー。やっぱり怒らしちゃったのかなー?」

でも、手を払われたのは若干傷ついたよ、私?
マオだってあんな言い方するからじゃないのさ。

「分かんないよ、マオ…」

ボーっとしていると担任教師の話しも終わり、教室にいた人はバラバラと帰って行った。
…私も帰るかな。

ブー、ブー、

おっと、電話だ。
マオ…かな?

『お父さん』

「…なんだ。」

ゴメンねお父さん。
このときばっかりは期待外れだよ。

「もしもし?」

「あ、美雨?入学式どうだった?」

「普通だよ。中学と変わんなーい。」

「お父さんも行きたかったなー」

「来なくていいってば。…そうだ、マオ帰ってたりする?」

んな訳ないよね。

「それがねー部屋にこもってるんだよ。マオったら入学式もサボっちゃうなんて、ある意味すごいよね。」

マ、マオ〜?
結局サボったのね…
ってか感心してる場合かお父さん!?

「…今から帰る。じゃあね。」

プツ…

ツー、ツー…

「心配して損した。」

帰ったら叱ってやる!!
待ってなさい、マオー!!
私はまたまた猛ダッシュで家に向かった。









「…これでいいかい?」

「あぁ…このことは美雨には言うなよ。」

「言わないけど…時間の問題だよ?マオだって理解してるんだろ?」

「言われなくても分かっている!!」

ガンッ!!

壁を叩いた。
余裕が全くない。

「ほら…限界じゃないか。やっぱりそろそろ"登録"しないと…」

「まだ…大丈夫だ…」

その手に握られていたのは…白いあめ玉のような薬だった。