僕はホッとして、テディを見下ろした。


『大丈夫?テディ』


固まったまま動かないテディの前に回ると、テディは目をウルウルさせて僕に抱きついた。


「うわ~ん
怖かったよー」


『テディは、猫が苦手なんだね?』


「あんな生き物初めてみた…死ぬかと思った…」


『ふふっ 大丈夫だよ、テディには僕がついてるんからね。
 さあ、行こう?』


「うん!」


僕達は真っ暗な道をぬけ、石畳の狭い路地に出た。


「こっちだよ!」


テディが僕の手を引っ張って、坂道を下りてく。
少し早足になる足につられ、僕達はいつの間にか走ってたんだ。
止まれなくて、ずっと走りつづけて曲がり角から来た丸い誰かに思い切りぶつかってやっと止まれた。


『あいたた…』


跳ね返されて尻餅をつく僕の上を、テディが飛ばされてくのが見えた。
そうか、軽いから、飛んじゃうんだ!!


「ルイー…」


『テディ!』


うんと手を伸ばして、テディの腕を掴んだら、石畳に足が引っかかって思いっきり転んじゃったんだけど、全然痛くなかったんだ!


「大丈夫?ルイ」


『うん、テディが居てくれたから、痛くなかったよ! ごめんね、重たかったよね?』


体の下からテディを助けると、お腹についた砂をはらってあげたんだ。