『行くってどこに?』


テディを下ろすと、短くてフワフワな手が僕の手に触れた。


「リボンのお店」


『リボンのお店?
それ、どこにあるの?』


「少し遠い所。
行きが怖いんだ…
でも、ルイが一緒だから大丈夫!」


テクテク歩くテディは、僕の手を引いて小さな路地を進んで行った。
暗くて怖くて、テディの手をギュッと握った。


「ルイ、大丈夫だよ?
僕にルイがついてるように、ルイには僕がいるから。」


テディが優しく笑って、僕を励ましてくれたから、もう怖くはなかったんだよ?


『うん。』


不思議なんだけど、テディに言われると、大丈夫!って思えるんだ。
テディが、歩いてるなんて知ったらママはなんて言うかな?
洗濯機で洗うの止めてくれるかな?


「ルイもう少しで出口だよ!」


『うん!』


真っ暗な道を、お月様が明るくした道路に向かって歩いた。
出口まであと少しの所で、何かが光ったんだ。


『テディ何かいる!』


「大丈夫!ルイは僕が守から。」


テディのうしろに隠れながら、先を進と「ニャー!!」って声のあとに、僕たちの前を通りすぎていったんだ。
僕、凄く怖くてテディに抱きついちゃった。


『わぁっ!! なんだ、猫か…ルイ大丈夫?』