なんて自分は親不孝者なのだろうかと峻甫は今更ながらに自分の不甲斐無さを恥じた。
この事を知ったらきっと田舎の母はものすごく悲しむだろう。だが仕方がない。

 大人として事実は事実としてキチンと受け止めるしかないのだ。逃げる事など絶対に許されるはずもないし、又起こしてしまった事故そのものはもはや消す事は絶対に出来はしないのだから……。

 だが峻甫自身は事故直後よりかは精神的にだいぶ落ち着いてきていた。
が、しかし心持ちまだ依然として緊張感が解けないままだった。