「水口さぁ~ん、そろそろスタンバイお願いしまぁ~す。

本番15分前なんでぇ!」

「あっ、はい。」

ADが、俺の楽屋に声をかけに来た。


今日の俺の仕事は、これだけだ。

バラエティーのトーク番組だ。

「よし。そろそろ行きますか。」

気合いを入れる為、一回両頬をパシンと叩いた。

番組の収録の有るスタジオまで移動した。

「よぉ、水口!
久しぶりだな?」

「ああ、山口さん。久しぶりです。
今日は、こっちで仕事っすか?」

「ああ。最近ドラマやってんだよ。
しかも、頑固親父の役だ。
たまには、ドラマやってこずかい稼がないとな?
嫁さんが、こずかい値上げしないっつってさぁ?
キッツイだろ?」


この人は、お笑いのベテランで、トークから司会…はたまた役者まで、何でもこなす、俺の憧れの人。
デビューした時共演して、それから凄く可愛いがってくれるんだ。