準々決勝を迎える頃には、癌細胞が胃に転移したせいなのか、あまり食事をとらなくなった。


そして、リンパ筋にも転移してる為、


体が痛いと訴えていた。


ちょっとの間に痩せてきた。


でも、稟は笑顔を絶やさなかった。


本当は、病院で治療を受けなくては、いけないけど、主治医に稟の気持ちを伝えて、自宅での生活を許可してもらった。

お義父さんや、お義母さんも、反対はしなかった。


稟の気持ちを……

尊重したいと言って。