「君が、水口さん?稟から、いつも聞かされていますよ。
さっ、座って。」


「失礼します。」


いつも、聞かされてるって……稟、何を言ってるんだろ。


「今回の手術の時には、稟が随分お世話になったそうで…。有難う。」


稟のお父さんが、頭を下げた。


「あっ…いえ、そんな…。
どうか、頭上げて下さい。」


「一番、女性としてデリケートな部分の手術だったからな…私も娘に、何と声をかけてやればいいか……。
役に立たんよ…。
父親というヤツは」

「あなた……。
今は、もういいじゃありませんか?
せっかく水口さんも来てくださってるのに……。」


「そうだよ、お父さん。
私は、こうして元気になったんだしね?やめよ?」