「まず聞くが、お前はヴァンパイアになった・・・などと思ってはいないだろうな」
私とユウは絨毯の上に向かい合って座って話している。
「そう・・・だけど」
私が言うと、ユウがまた大きなため息をついた。
「だって!!ヴァンパイアに血を吸われた人間は、ヴァンパイアになるって映画で・・・」
私は必死で説明する。なんだか自分が情けなく思えてくる。
「ソレは人間界の映画・・・つまり人間界での勝手な解釈であろう?俺たちの国でそんなコトを話したらバカにされるぞ」
ユウが呆れたように話す。
そんなの・・・ヴァンパイアなんか夢の生物なんだから、勝手に解釈するしかないじゃん。
私は心の中で思う。
「じゃ、じゃあ!私は人間のままなのね?」
「当たり前だ。そんなのが本当なら今頃この世の中、ヴァンパイアだらけだ」
・・・確かに。って違うか。
元々ヴァンパイアなんか数少ない生物なんだから、そんな人間より増えることはまずナイ。
というよりヴァンパイアは主人を持てば、その人しか吸わなくなるんだから、増えるわけがないんだ・・・よなぁ??
私が1人で首をかしげていると
「何を考えている、百面相」
ユウが同じように首をかしげて聞いてくる。


