ヴァンパイアKISS ~姫の王子?~



「離・・・して」


小さな声で言うのは、声が上手く出ないから。


「手を見せろ」


ユウは私の言ったコトなんか無視して、私の右手を掴む。


赤い血がドクドクと流れていくのが分かる。


「これくらいなら大丈夫だな」


そう独り言を呟くなり、私の右手を持ち上げて



「んっっ」



私の右手の人差し指の傷から出る血を吸い始める。


なんだか


気持ち悪いようで・・・


だけど


このままでいたいと思ってしまう




そして吸い終わったのか、ユウはそっと口を離す。


「ご馳走さま」


そう言うなり、満足げに笑いを顔にうかべている。


「やはり姫の血は旨いな」


私は急に体温が上がり始めたように、体全体が赤くなるような感覚に襲われた。



「バカっ!!」



そう言って、頬の赤い部分に、もう一度叩いてやったのだった・・・