「この世界では、ヴァンパイアとバレたら駄目なのか・・・」





・・・は??




当たり前のことを、自然に言いましたよ、この人。


「バレても・・・いいわけ??」


私は不思議に思って尋ねた。


「ふむ。別にバレても問題はないと思うのだが」


ユウは答える。・・・じゃあ。


「売り飛ばされてもいいわけ?」


「売り・・・??何故この俺が人間に売り飛ばされなければいけない?」


なんだかイラッとした顔つきになった。まぁ、当たり前の表情か。


「だってさ、珍しい生き物なんだもの。この世界でヴァンパイアっていうのは、ただの夢の物語でしょ?」


「確かにな。だが、俺は姫意外のモノにはなる気はない」


真顔で恥ずかしいこと言う。私は少し顔が赤くなるが、すぐに冷静になる。


「私は姫でもないからどうでもいいけど。じゃあ・・・来てよ」


私はユウを連れて行く。


「何処へ?」


「ヴァンパイアに会いたいって人がいるから」


そういって、私たちは屋上を後にした・・・