「じゃあそろそろ弱者でも食い物にしに行くか」
私が空腹を感じそれを伝えたら、S氏はそんな事を言いだした。
だがS氏とは20年来の友人である私にとって、その発言は取り立ててショッキングな物ではない。
S氏一流の冗談だと分かるからだ。
了承を伝えるとS氏は私を案内したい店があると言うので、それも承諾し二人でその店へ向かった。
S氏は見知らぬ店にもブラリと一人で入る事のできる人物なので良い店を沢山知っており、新たに良い店を見つけると私に紹介してくれる。
今回も同様で、適当に入ったら大変良かったと身振りを交えて説明してくれる。
私は期待を高めた。