前にはまたドアが。


しかもまたもやおんぼろ。

「もっかい壊すか」


俺はそう言いながらまたドアを蹴っ飛ばした。


予想通りドアはガコンみたいな音を立てて壊れた。


だけど、さっきと違う音が更にした。


それはうわっ!って言う悲鳴。


たぶん、人間の。


壊したドアは何かを下に敷いて斜めになって倒れている。


倒れたドアの先を見ると稲垣と数人の部下がいた。


「おっ。みっけた」


俺はそう言うと、斜めになっているドアの上を歩いて中に入った。


ドアの上を歩く途中にギャッっと言う声がした気がする。