「稲垣を痛めつけてくれ」

俺はその言葉に驚きを隠せない。


「んなっ。稲垣って藍稜の副番だろ?なんで!?」


石場は少し困っている。


「あのな、稲垣はかなり信用されてないんだ。みんなアイツを副番から引きずりおろしたいが、アイツは力が弱くてもズル賢い。あとが怖くて誰も太刀打ちできないんだ」


石場の顔を見ると本当に困ってるみたいだ。


「なるほど。で、どーしろと?」


俺がそう聞くと待ってましたと言う顔で説明しはじめる。