バタン!

篠崎は何も言わずに倒れた。 

亮太を支えていた部下達は最初に出てきた時のまま目を見開いて立っている。


もちろん亮太も。全校生徒も。


俺は亮太の方へ歩きだす。
「どけよ」

亮太を支えている部下達はゴキブリのように散っていく。


亮太はやっとの思いで立っているようだ。


「大丈夫か?亮太。」

俺は亮太の顔を覗き込む。

亮太は大粒の涙を流していた。


「どっ、どーしたんだよ亮太!?何で泣いてんだよ!?」


亮太はまだ泣いている。

よく聞いてみると亮太は泣きながら何か言っている。

亮太の言葉を聞き取った時、俺は泣きそうになった。









「ありがとう…………」