看護婦はああ。アレねみたいな表情で、

「ナイフはね、護身用みたいなものよ。」

ああ。護身用。

でも、俺らの前に立った時、ナイフ舐めてたよな?

なんでだろう。

「じゃあ、なんで俺らの前に立った時、ナイフ舐めてたんですか?」

俺が質問したら、亮太も確かにって顔をした。


看護婦は普通に答えた。

「あれは、感じを出すためになんとなくやったのよ」

なんとなく………。結構怖かったけど………。