日村 令子は また フッと 笑った


今回は その 不敵な笑み に

オレも 同調して 笑うしかなかった

しかし その 笑いを 遮るかのように


「あなたが 私を呼んだのよ」


ときた


『はぁ~?!!』


なんで オレが 知り合いでもなんでもない


『アンタ!』 を 呼ぶんだ!


…でも …どういう事なんだ…


オレが 日村 令子を 『呼んだ』って…


いつからの話しだ


今? それともさっき助けに来てくれた時?

それとも 夢の中? その前に『全部使っていい』と

言った時? いや そもそも 『教育実習』で

来たこと自体を 言っているのか?


「奥村くん あなた…

ずっと 『孤独』だったんでしょ」


「…!!」

な なんだ いきなり!


日村 令子は 今度は クスッと笑うと


「だって… あなたの 『守護霊』が…

そう 言ってるわよ」


オレは 心臓が オレの肋骨を破って

飛び出すのではないかと思うほど

大きく鼓動を打った


『守護霊… 『霊』って… 言ったよな… 』


オレは その時の 自分を 思い浮かべると

記憶から 抹殺したいほど 舞い上がってたと思う

ずっと欲しかった お菓子をもらった 子供みたいに

はしゃいで 飛びついて かぶりついて それでもまだ

足りないくらい 興奮した感覚だった 

勿論 17才らしく… 態度には出来る限り出さなかったけど…