日村 令子は 近くにあった


オレと同じ やはり 丸太のイスに


ゆっくりと 腰を下ろした



もし オレから 霊的なコトを話しかけて


もし 『全て』が オレの 思い過ごしで


『全て』が オレの 勘違いだったとしたら…



オレは… オレは… また…



いや… 同じだ…


今までと 『何も変わらない』


ただ それだけだ


ほんの少し この目の前に 座っている


この 教師の 『卵』 に


『変な奴』と 思われるだけだ


だったら…


「あの… 日村先生は れ…い…


…う…うんっ……『霊』の 存在とか…」


その後の言葉を迷った


『信じますか?』

『どう思いますか?』

『見た事がありますか?』


迷っていると 日村 令子が

こう 話しかけてきた


「奥村くん… 

なぜ  私が  今

あなたの 目の前に 居ると思う?」


意外な質問に オレは 


マヌケな フナのように


口を パクパクするしかなかった