「50」

「はっ?」


突然の 日村 令子の 数字 発言を


オレは イマイチ聞き取れなかった


「えっ ごっ ごじゅう?…ですか?


それって キャンドルサービスで使う


キャンドルの数とか… そんなに


少ないワケないか…」



って 何ワケわかんないコト 言ってんだ


オレ!


こんな ドジ発言している間も


日村 令子は 真顔 でこちらを見ている




「さっきは 大変だったわね」



話題を変えてきた?


「あ… あぁ… まぁ…」


いつまで こんな


 『 曖 昧 』


続けるんだ…


オレは 意を決した


「日村!…先…生…」


日村 令子は オレからの

呼びかけに 動じることなく

目だけを動かし 改めて こちらを見た


「なぁに?」


本当は 日村 令子の方から

あれこれ 話しかけてきてくれる方が 良かった