確かに 緊張しているのは 事実だ


オレは 棒のようになった 手足を


なんとか ぎこちなく 動かし


ロボットのように イスに 腰掛けた


普通を 装ったが 恐らく

この女には そんな 装いは 『通用しない』


オレが 座るのを見届けると

日村 令子は 近くにあった 魔法瓶から

紙コップに 麦茶を入れ

オレに渡した


渡された瞬間 手にヒヤッと 冷たさが広がった

紙コップの 麦茶は よく冷えていた


その 刺激で 緊張も 少し 取れた…


「ところで…」


キターッ 第二弾!

オレは 再び ドキッとし

飲みかけた 麦茶を 吹き出した


なんで ここまで緊張しなきゃならないんだ!


オレは 自分に腹が立って仕方がなかった



ただ…



もしかすると…



オレは この女に 『期待』しているのかもしれない


だから…


これほどまでに 『緊張』するのかもしれない


その『期待』 とは


それは この『能力』に対する


本当の『意味』での 


『理解者』との対面に!