オレは 早く樹花に知らせてあげたかった


これからの『オレたち』に


待っているかもしれない


 『未来』


の可能性を・・・


『樹花・・ 樹花・・』


オレは 病室に飛び込んだ


「はぁっ はぁっ・・・樹花・・・」


樹花の寝ているベッドに近づいた


「はぁっ はぁっ・・・」


オレは 弾む呼吸を 何度も何度ものみ込んで

自分を落ち着かせた


樹花は 病室の外で

自分にとって『革命的』な事が起きていることなど

『お構いなし』と言った感じで

スヤスヤと眠っている

いつもの 痛み止めが効いているのだ


「樹花・・・オレ『確信』した…」


樹花は 口をむにゃむにゃと動かした

オレは つい吹いてしまったが

あまりの『いとおしさ』に

また 涙を流していた


オレのやっている事は

ただ 沢山の人や霊を『救う』だけじゃないんだ

これは きっと『オレ自身』を救うために

与えてもらった『チャンス』なんだ!


・・・だから樹花・・・

見ててくれ

オレが絶対に


お前を守る


樹花の寝顔は うっすらと微笑んでいるように見えた