オレは 供養に立ち合うようになってから

『責任感』も増したせいか

印刷会社の『デザイン』も 大部分任せてもらえるようになっていた

勿論バイト代も上がり『社員に昇格』の話しまで出てきている


まだまだ 下っ端ではあるけれど

オレの毎日は充実していた


今朝もオレは 徹夜の仕事を終え

オレと今は入院中の樹花との部屋に戻り

シャワーを浴びた

新しい服に着替え また部屋を出た


オレが寝る間も惜しんで行く先は決まっている

樹花の入院先だ


オレは 空を見上げた


『いい天気だ・・・』


空が青く 街路樹からは小鳥の声が聞こえる

橋を渡れば 海に向かって流れる川が

キラキラと 朝日を反射して

まるでこちらを見て笑っているようだ


やるべき事はやってきた

17才のあの日から…

日村先生と会ったあの日から…

もう 既に始まっていたのだ

オレが 『本心』から霊能力を活かした『供養家』として

『本当の事』をやる為の『筋書き』が・・・


オレは 笑った・・・

いつも 日村先生が笑うような


あの フッ という笑いだ


オレは 今ようやく

日村先生が

どんな気持でこの『笑い』をしていたのか

哀しいくらいに『知ってしまった』


『知るが煩悩』の『知る』を知り尽くしたら

こんな『心境』になるのか・・・・


でも オレの『知る』もまだ途中段階だ