「それは ただの『バカ』です

あなたに『味方』するなんてのは

そんな程度の人間だ!って…」



・・ぷーーっ!


オレも 我ながら吹き出した

日村先生も 笑っている…


オレは 自分で言っておきながら

その言葉が

今頃自分に『戻って』きたことが

可笑しかった



なぜなら まさに『今』


その『バカ』とは


『オレ』のことだからだ


「あとね…」

その日の最後に日村先生はこう言った

「私は霊能力ってみんなにあるのだから、自分たちだけが霊能力者って呼ばれるのって、違和感があるのよね」

「そう・・・ですね」

先生に言われるまで 特に気にも止めていなかったことだが

あえて言われると そうなのかな

という感じに思った

「私は『供養家』って呼び方でいいと思うんだけど、奥村くんはどう思う?」

え⁈先生がオレに相談⁈・・・ってことでいいよね⁈

「いいと思いますよ」

単に他の案が浮かばなかっただけではあるが

その言葉には 先生なりの霊能力者に対する世間一般の

見解への抵抗を感じた