≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~

今 オレたちの居る場所から


はるか上方に さっき立っていた場所

すなわち 楠木が 見えた


オレたちが立った 楠木の『反対側』は

急な斜面になっていて

さらに昨日のドシャ降りで

地面がゆるんでいたのだ


そこに ハルがジャンプして

さらに 地盤をゆるめ

そこにオレの体重が さらに圧力をかけて

軽い 『地滑り』が起こったのだ


「ハル…、とにかく…登るぞ!」


「うん…」


ハルは まだ もうろうとしているみたいだ


が なんとか立ち上がった と思った瞬間


「イタイ!」


ハル?


ハルは右足を押さえ うずくまった


「どうした?」


ハルの右足を確認しようとして

ハルの足に触れた 


その感触に…


オレは 胃が 凍りつきそうになった


ハルの右膝から下は 


何かの『液体』で


ジャージから 靴下まで


ビッチャリ濡れていた


その『液体』とは


まちがいなく


『血』だ!


この ねっとり感は


どうあがいても オレの 『麦茶』じゃない