≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~

「はい!じゃあ今度!」


そう言いながら 絵里香ちゃんはニコニコと日村先生の後をついて行き

オレもその後ろを歩いた

玄関で靴を履くと


「それじゃ また来て下さいね!」


絵里香ちゃんは 日村先生とオレに『バイバイ』と手を振った

山田氏が靴を履いて 玄関の外まで見送ってくれた


「いやぁ 今日はわざわざ済まなかったねぇ・・・

なんのお構いも出来んで・・・」


山田氏は 口の奥に何か物が挟まったようなカンジでいる

きっと まだ何か話し足りないのだろう

それを 日村先生が口にした


「奥様は まだ『成仏』なさっていませんね」


「・・・・・」


山田氏は ゴクッと息を呑み込んだ様子だった


「事故ですか?病気ですか?」


日村先生は尋ねた

と その問いに山田氏は


「あなた・・・『霊能力者』なのに そんな事も判らないんですか?!」


恐らくこれは誰しもが 『勘違い』していることだろう


『霊能力者』なら『全てが見える』と・・・


日村先生は いつものように フッと笑ってみせた


「『判らなければ』信じないんですか?」


「んんん・・・・」


山田氏は 得意の『うなり』で返してきた


「・・・事故です・・・」


日村先生との『にらめっこ』に負けたかのように ポツリと呟いた


「そうですか」


オレは 2人のやりとりを 手も足も出すことの出来ない『助っ人』のように

横から眺めていた