≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~

絵里香ちゃんは さっきまでのニコニコ顔とは一転して

まるで人が変わったかのように

凄い形相で 父親を責めた

オレは 日村先生の反応を見た

先生は 彼女の行動を冷静に見ていた

その目は すでに『何か』を確信していた


「絵里香さん!」


日村先生は 父親を責め続ける娘を呼んだ

彼女はパッっと 日村先生を見た


「私たちは 用事があるから今日はもう帰るけど

今度・・・私にも『エンジェルくん』に

会わせてくれないかしら?」


絵里香ちゃんは 『エンジェルくん』を『肯定』されると

すぐに優しい顔になった

同時にオレも少しホッとしていた


『日村先生にも エンジェルくんは見えていないのか・・・』



「はい 私もぜひ先生に会わせたいんですけど

カレ・・・恥ずかしがり屋さんなんです

でも先生も カレの『気に入る』コトをすれば会ってくれると思いますよ!」


「気に入ること?」


「はい!とても簡単ですよ!」


「どうやるの?」


「どう・・・って・・・とにかく

困った人を助ければいいんです!

困った人を助けようとした時に

『エンジェルくん』は色々教えてくれるために

出てきてくれるんです それだけです」


『・・・やっぱり『エンジェルくん』は『いい奴』なのか?!』


「そうなのね 分かったわ

次に来た時は 一緒に『いい事』をしましょう」


そう言うと 日村先生は柔らかいソファーから立ち上がった

オレも 飲みかけていたコーヒーを 慌ててテーブルに置き

日村先生の後を追って廊下に出た