≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~

オレの左肩に乗せていた 日村先生の手が


ポンッ ポンッ と


2回オレの肩を叩いた


オレは ゆっくり目を開けた

涙で自分のまつげが ぐっしょり濡れている事にその時気付いた


そして オレは最後の一礼を石碑の前でした


その時だった


石碑の少し上から


『虹』と同時に サッと霧雨のようなモノが降った


たった一瞬だったが そこに居た全員がその霧雨をかぶった


突然の雨かと  皆驚いて空を見たが

空は雲一つ無く 晴れ渡っていた



「霊の涙よ・・・

うまくいった証拠です この供養が・・・」


日村先生はそう言った



そう・・・ オレにも聞こえた

あの時 石碑の前でオレが 最後の一礼をした時…



《ありがとう・・・  お見事・・・》



という言葉が・・・



供養が終わり 高野さんと瓜生さんは 一人一人にお礼を言うと

シルバーの車に乗り込み 瓜生さんの運転で帰って行かれた


もう・・・35年も前になる登山で 雷に撃たれ

その後『植物状態』から回復し

寝たり起きたりだった瓜生青年は 

坂本の兄が亡くなった次の日に

『多臓器不全』で息を引き取ったそうだ

意識を無くしてから亡くなるまで

笑うことも怒ることも無かった瓜生さんが 

亡くなった際『うっすら』と笑っていたそうだ


何かから解放されたような そんな『安らか』な 顔だったと・・・

ご両親は目に涙を浮かべて話して行ってくれた


恐らく 坂本の兄さんが『誰か』にした約束…