「息子も これでやっと成仏できます」


年老いた方の 男性がそう言うと

今度もまた 4人とも 頷いていた


『息子?』


「こちら 奥村くんです 本日の供養のお手伝いをしてくれます

彼は 前回2度もこの供養に立ち合ってくれています 

私としても 心強い助っ人です」


突然 その4人に対して 日村先生から紹介されたオレは

戸惑いながらも 苦笑いをしながらおじぎをした


4人とも皆ニコニコして オレにもおじぎをしてくれた


「奥村くん こちら高野さんご夫婦

こちらが瓜生さんご夫婦よ」


「えっ?」


『年輩の男女が『高野さん』で  もう一組が『瓜生』さん』


総勢11人での『供養』だ



「みんな ちゃんと進んでたんですね」


オレは なんだか自分が恥ずかしくなった

皆の中では 勿論日村先生を除いてだが

『霊』に関しては 一番自身があった


それがどうだ・・・


『霊』なんて普段見ない人たちが

こうして 日村先生の指導の元

『本当の事』

に向けて 着々と準備を進めてきていたのだ



今日は その『集大成』なのだ



オレは 嫌がおうにも気を引き締めざるを得なかった


こんな 初めて会うような方達の前で

こんな 目に見えない事をやるのに

こんなにみんなの思いが1つになって『ココ』に集まっている


『中途半端な事は出来ない!』


フーーーーッ


オレは どこに入れていいか分からない『気合』を入れた