オレは 先ほどから

そこに何故そんな文字が刻まれているのか分からなかった


「奥村くん 覚えているかしら『三界』のこと」


『そう言えば 坂本が入院している時 談話室で教えてもらったような』


「確か・・・『天界』『人界』『地界』・・・だったと」


オレはうろ覚えながらよく覚えてたなと 自分でも意外に驚いた


「その通りよ これからする供養はね

『天界』『人界』『地界』の3つの世界に作用させる

ものすごく大きな供養になるの

これは『供養』の最終段階 即ち今までに起こってきた

この場所での『霊的事象』

更にはそれに『関わらずを得なかった』霊的関係者によって行われるの

そして この『三界万霊』は

その供養者を最後に 全ての『因縁』を断ち切る事の出来る『供養』よ

だから これから生まれてくる『子孫』に対して『霊的』におびやかされる事は

なくなるということなの」



オレ以外の5人も 日村先生の言葉を聞いて頷いていた 皆


『三界万霊』


がどういうことなのかを 再確認しているようだった


ブウウゥゥゥゥ・・・ン・・・


そこに 1台のシルバーの車がやって来た

車は オレ達の乗ってきたバンの隣に停まると エンジンを切った

車の側には すでに中道さんと島田さんが向かっていた

中からは 老夫婦らしき2組が降りてきて 中道さんと島田さん2人の案内でこちらへ向かってきた


「きょうはぁ… 朝からすいません!」


老夫婦の 少し若い方の男性が日村先生に話しかけた


「いいえ こちらこそ… よくお越し頂きました」


日村先生は その老人達に頭を下げた


「いやいや こちらこそお世話になります」


老夫婦は4人とも 深々とおじぎをした


『この方たちは 一体誰の親戚なんだ・・・?』