「浅川さんは… あの頃のあなたと居たら 命がいくつあっても足りなかったわ」


「どうして そんな事が分かるんですか?」


「以前 あなたに『霊能力の数値』の話しをしたの覚えてる?


はい あの頃オレは『50』で 一般の人は『20~30』っていう話しですよね


「そう それと人にはもう一つ『霊格』というのがあるの」


「『霊格』・・・ですか?」


「そう 人間の質を表すものが『人格』なら 霊的質を表すのが『霊格』


『霊格』とは即ち『守護霊』の事よ」


オレは ハルの後ろから現れた『守護霊』を思い出していた


「実は オレ… ハルの守護霊を病院で見ました

そして その人からも『ハルの事は守れない おまえでは許さない』と言われました」


「そうだったの… 会ったのね 彼女の『守護霊』に」


「はい でも分からないんです!」


「なにが?」


「だって こうやって樹花は ハルの時より もっと『深刻』な状況なんですよ!

なのに なんで樹花の『守護霊』は出てこないんですか!」


オレは 熱くなっていた


「『目に見えている事象』で 物事を判断していては 振り回されるだけよ

松永さんが浅川さんの時より『深刻?』

『より』という表現が『適している』とは思わないわ」


「それじゃ… なぜオレは ハルの『守護霊』から遠ざけられて

樹花の『守護霊』からは 無視されているんですか?」


「『霊格』すなわち『守護霊』にも能力の『高低』があるの

能力の高い守護霊ならば 浅川さんの時のように その時の状況に見合わない相手を

近づけないようにすることができるの

あなたの時のように 直接姿を現して教えることもあれば

『守護』している人に 『相手』をキライにさせたり

会えなくなるよう『タイミング』をズラしたり

逆もあるわ 『相手』に『合わない』と感じさせたり

『守護する者』を『守る』ためなら 手段を選ばないわ」


「じゃあ 樹花は? 樹花はどうなんですか?」