≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視１』より～

「・・・そうなのか？」

「はい・・・３組の　中川・・中川　輪子も　一緒に居ました」

「そうか・・・　もう一人の女子は　中川のことか・・・

じゃあ　中川にも伝えておかなきゃな・・・」


小津は　ぶつぶつ言った


「今　職員会議で　坂本の事が話されたんだ

今朝　坂本が事故に遭って　『しばらく学校に来られない』と

坂本のお母さんから　連絡があったんだ

それで　坂本の容態が　もう少しよくなるまで　他の生徒には

黙っていて欲しい　と坂本のお母さんから　要望があったんだ

今は　まだ　見舞いに来られては　困ると…

だから　本当は　担任のオレが　行く所だったんだが

その　すぐ後に　日村先生からも　連絡があって

ちょうどその病院に居るから　自分が代わりに　容態を確認します

と　電話があったんだ　まぁ　オレも後ほど　病院には向かうが

日村先生は　坂本のお母さんもお疲れだろうから　交代で

坂本を看病させてくれ・・・と　よく気が付くし　優しい方だ！」


小津は　明らかに　日村　令子を　思い浮かべて　ニヤけている

恐らく　病院に行って　坂本の容態を知ったら　

そんな　ニヤけた顔など　一瞬で吹き飛ぶだろう


『日村　令子』が病院・・・

オレは　島田さんが連絡したのではないかと思った

オレは　焦った

オレも　病院へ行かなければ・・・

島田さんも　中道さんも　あの女に　『振り回されている』


きっと　そうだ・・・


『浄霊』しても『無駄』だった・・・

そう　教えなきゃ


この時　オレだけが　空回りしていたのだ


オレだけが・・・　一番・・・何も知らないでいた


「小津先生！」

オレは　一瞬のうちに　なんとか学校を抜け出す方法を

考えつかなければならなかった


「あの・・・実は・・・」

「なんだ！」

小津は　忙しそうに　オレの　言葉を急かした