「・・事故って どんな状態なの?」


「・・ひゃっ・・わ・・分かんないっ」


「分からないって どーゆーこと!?」


「いま・・・・し・・手術室なのっ」


と言って リンコはまた

大声で泣き出した


もうこれ以上 電話だけで話すのは

ムリだろう・・・


「病院はどこ??!!」


「・・・んっ・・徳・・村・・病院・・・」


ハルの入院先・・・  でも

今はそんな事考えている場合じゃない


「分かった すぐ行くから」


オレは 母さんが出がけに 

『宅配便が来るから受け取っておいて』

と 言われていたことも忘れ

チャリを飛ばした


昨日・・『大切な人』と『距離』を置くことを

決めざるを得なかった場所に…


そして

今からは 『大切な友』の『惨事』を

目の当たりにする事の為に




最後に 生き残るのは・・・


最も力の強い者でもなく 


最も知性の高いものでもない


最後に 生き残るのは・・・

『変化』に対応する能力を持つモノだ



オレは 耐えた

あの時の オレを とにかく支えたのは

恐らく この言葉だけだ


オレは 3日前からの 出来事で

目まぐるしく変わった オレの精神状態や

考え方や環境を  


とにかく


『受け入れる』ことにだけ 全神経を

集中しなければ  とても・・・ 

耐えられるものでは なかった