時計を見た 1:00pm

朝飯も昼飯も 食べてはいなかったが

『お腹がすく』という 感覚も失せていた


廊下を パタパタと小走りに走ってくる

音が聞こえた

母さんが また起こしに来たんだろう


コンコンッ


「ヒカル!」

と 言って オレの部屋のドアが空いた


『やっぱり・・・ さすがに起きたふりだけでも

しとかないと 心配かけるな・・・』


そう思い オレは布団から 顔を出した


「・・・起きてるよ・・・」


ボサボサの髪に むっつり顔

・・・まぁ これはいつもと変わらないか


「あらそう・・・  ねぇ 坂本くんが来てるわよ」


えっ? 坂本?

オレは ベッドの下に転げ落ちていた

自分の携帯を見た


着信とメールがきた事を 示す

サブランプが 青と白 交互に

ピカピカ 点滅していた


『あれ?いつのまに?気がつかなかった・・・』


オレは 『もしかしたら・・・』の万が一に

備えて 携帯を枕の横に置いて 横になっていた


もしも・・・ ハルから連絡があったら

出来るだけ早く 電話に出られるよう

出たところで 何が変わるというわけでも

ないかもしれないが・・・・

ヘンな 希望を持って 横になっていた

『眠っていない』つもりだったが

ところどころ 眠りこけていたのだろう


結局 着信に気が付いていないのだから

オレは 着信は 恐らく 坂本からのもの

だと 思った