話しは また 5年前・・・

オレが 17才の時にさかのぼる・・・

ハルとの間に 深い溝を作ってしまった

あの ゴタゴタの次の日だ










日曜だというのに オレは とても

外に出る気にはなれなかった


母さんが 何度か オレを起こしに来たが

さすがに 昨日の登山で 疲れているのだろうと

思いこんでくれたらしく あまり しつこくは

起こさないでいてくれた


今日は 特に オレにはそれが 有り難かった


誰とも話したくない

誰の顔も見たくない

いや もし 見れるなら

ハルの 今までと変わらない 『笑顔』ぐらいだ


オレは 布団には潜ってはいたものの

『眠る』ことは出来なかった


『彼女を守れない』


この事を 一晩中考えていた


「なぜ? オレと一緒だと なぜハルは苦しむんだ

オレがもっと 頼りがいのある 男になれって事なのか

じゃあ どうしたら頼りがいのある男になれる?

どうしたら ハルを『守れる』と 認めてもらえるんだ・・・」


日村 令子が 言っていた


『霊能力を高めるには 修行をしなければならない』と


「修行・・・って 頭丸めるってことか?

それで 滝にうたれたり お経読んだり 書いたり

他には?肉とか食べちゃいけないとか?」


そんな事を オレは 一晩中考えていた