オレは 樹花のそんな言葉に驚いた

・・・というよりは 固まった


今まで ふざけて 言ってきたヤツは何人かいる

しかし こんなにマジモードで

突っ込んできたヤツはいない


「・・・なんで?

・・・樹花ちゃん そんなのに興味あるんだ」


「興味・・・っていうか・・・

私 見たりするんです!・・・時々ですけど・・

なので 金縛りとかも多くて 何度か

両親に『除霊』とかしに お寺みたいな所に

行ったこととかあるんです」


『結構 本格的だなぁ・・・』


「・・・で オレになんか憑いてるの?」


樹花は オレをじっと見た


「いいえ 何も見えません・・・

でも・・・ なんとなく分かるんです

さっきから あんなにヒトが沢山居て

うるさくて 私10分くらいで

いつも 具合が悪くなるんですけど

奥村さんが 隣に居てくれて なんだか

こう・・・ 具合悪くならずにすんでて

その・・・安心出来て・・・」


と そこまで言うと 樹花は顔を真っ赤にした


「あっ!!あのっ! コレ新手の『逆ナン』とかじゃ

ないですから! ごめんなさい!本当に 

違ってたら・・・私 よく『天然』って言われてて

あの・・・」


樹花の 真面目さとひたむきさは

オレの心も素直にさせた


「霊感・・・強いと思うよ・・オレ」


そう言うと 樹花は嬉しそうに笑った


「そうですよねっ!やっぱりそうですよね!

良かった~ 話しが通じて!」