六限目。都内の私立高校。

受験を控えた毬花は真面目に授業を受けていた。

そこに集中を妨げる短い微かな振動。

制服のポケットにある携帯電話。

水曜日のこの時間にメールを寄越す相手は決まっている。

毬花は机の下でこっそりメールの内容を確認した。