アクセス数はもうすぐ9500を切るところだ。



「………ボリューム上げてくれないか」


「こんなタナトスなの聴きたいんすか? 変なの」


「違う。 手掛りがあるかも知れないだろ」


「はいはい」



私はゆっくりと、スピーカーのボリュームを上げた。
女性の嘆願が聴こえてくる。



『お願い………お願いもうやめて………』



聞いてるこちらも怖くなる。



『ねぇえ……っ! ………やめて……。―――――あぁあああぁぁあ!やめてぇぇ―――!』



女性が画面の端に引きずられていった。

しばらく何も起きず、外を走る選挙カーなどの音だけが響く。


画面の端に映る女性は何かを見上げながら、必死に後ろに下がろうとあがいている。



『やめて………。謝るから、もう怒らないからやめて………!』
































画面端、女性とカメラを遮る様に、ナイフを持った黒ずくめの人物が現れた。







.